住職 ご挨拶
今城 良瑞(いましろ りょうずい)
人口減少、過疎化、僧侶不信、檀家離れと、さまざまな理由から、お寺はいま消滅の危機にあると言われています。
確かに檀家制度や葬送儀礼を中心とする“ビジネスモデル”は終焉を迎えるかもしれません。お寺で儲けたい人にとっては、消滅の危機なのでしょう。
しかし、そこに仏さまがお祀りされ、それを真摯に祈り瞑想する、発心(覚りを目指す)している僧侶が一人いれば、お寺は必ず存続すると私は考えています。大切なのは、そこにいる僧侶の熱量と、それが何処に向いているかです。
人々には「亡くなった方を供養したい」という気持ちがまだまだ残っています。ただ、これまでのようなお寺との付き合い方ではなく、新たな関係性を望んでいるように思います。
また、葬送儀礼ではなく、瞑想を中心とする覚りを目指す道、精神世界への興味を持つ方が大勢います。例えば「マインドフルネス」は、ある種の流行のようになり、その言葉自体、もはや使い古されたような感さえあります。
お寺を巡る方、パワースポットを巡る方、御朱印を集める方が大勢いたり、自己流の「ラッキーが来る行為」が蔓延していたりしますし、心霊、不思議にまつわる怪談話や都市伝説がブームです。
気がつけば、お寺や僧侶だけを取り残して、その周囲だけが盛り上がっているのです。
お寺の側が、檀家だけでなく広く人々に目を向けることができれば、お寺には無限の可能性があります。覚りを目指していけば、自ずと人々を魅了し、経済的な問題も解決していくと考えます。
阿彌陀寺は、昭和の頃には400人(バス8台)を率いて四国遍路にでるほどの隆盛を極めていましたが、現在では無住となり、檀家は一軒としておらず、風前の灯です。
私は「拝んだら何とかなる」を実証したい。真摯に祈り、瞑想していれば、たとえ遠くからでも必ず誰かが手を合わせに来てくれます。話しを聞かせて欲しいと現れます。不思議なことが起こります。
いや、不思議なことは、もう既にありました。私は十一面観音さまに導かれ、この寺に来たのだと確信しています。
宗祖である弘法大師空海は、高野山を修禅の場とし、京都にある東寺を社会的な活動の拠点とされました。
弘法大師の師である恵果和尚は、貧しい人たちには具体的に物質的な援助を、仏教を知らない人には、仏の法を伝え精神的に援助することで、二方向に活動されました。
私は、偉大なるお二方を目標に、広島、大阪の二拠点で、また阿彌陀寺と一般社団法人メッターの二法人で、精神的にも物質的にも社会に貢献できる二方向で、また自分と他者の二方向での利益(りやく)にも精進してまいります。
ご支援、ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
合掌
令和七年六月二十日
| 経歴 |
|
| 昭和46年 | 大阪市に生まれる。 |
| 平成元年 | 高野山大学(密教学科)に入学する。 |
| 平成5年 | 高野山大学を卒業する。 |
| 平成6年 | 高野山専修学院での修行を了る。 |
| 平成21年 | 『ボクらの仏教〜毎日がラクになるヒント〜』をPHPから上梓する。 |
| 平成24年 | さまざまな宗派の僧侶とともに、一般社団法人メッターを設立。子どもや家庭の問題に取り組む。 |
| 令和6年 | 大本山 中山寺を退職する。 |
| 令和7年 | 龍王山 阿彌陀寺(宗教法人 阿彌陀寺)の住職(代表役員)に就任する。 |
|
龍王山 阿彌陀寺(宗教法人 阿彌陀寺)広島県福山市藤江町448 |
|---|---|
|
大阪布教所大阪府泉南市信達牧野1000-56 |
|
一般社団法人メッター社会の問題に取り組むために、いろんな宗派の僧侶と集まってつくった法人です。特に、子供と家庭の問題に力を入れていて、保育園や子育て支援施設を運営しています。 |
|
保育園一般社団法人メッター |
|
子育て支援一般社団法人メッター |